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2009年7月20日 (月)

Blackbird

Blackbird (ブラックバード)

2009年7月18日(土)
13:00開演(上演時間2時間 休憩無し)
世田谷パブリックシアター
出演:レイ(ピーター) 内野聖陽、ウーナ:伊藤歩

演出:栗山民也
美術:島次郎
照明:勝柴次朗
音響:山本浩一
衣裳:宇野善子
ヘアメイク:佐藤裕子
演出助手;豊田めぐみ
舞台監督:三上司


この先、読み手によってはネタバレになってしまう記述がある可能性があります(シツコイ!)ご注意下さいませ。




この作品を見て、否が応でもナボコフ作「Lolita」を思い出しました。
設定が類似し過ぎているから。
でも、この2作品には決定的な違いがあります。
「Lolita」には、ハンバート・ハンバートの少女への偏愛の理由が描かれていた。
それは、少年時代に死別した彼女の面影を未だに求めているから。

しかし、「Blackbird」には、レイが少女を求める理由、きっかけなどがいっさいシナリオ上には描かれていません。

それに、ラストも違う。
「Lolita」では、ハンバートは再び愛する少女と死別という悲しい結末を迎えますが、「Blackbird」はラストもあいまい。どうとでも受け取れるし、どうとでも想像できます。
あの物語の後の二人(いや、複数人というべきか?)の関係はいっさいわからないまま、客を置き去りにして幕が降りてしまいます。

倒錯には、何かしらの理由があると思っていました。
ハンバートは非常に学のある知的な男なうえ、12歳のピュアな想い出を引きずって生きる中年男性、言い換えればとても繊細な、繊細過ぎた男だったに違いない。
相手が少女なら、自らも少年の心をそのまま持ち続けて生きてきたのです。

いっぽうレイのほうは・・・82人でしたっけ?(違う・・・それは・・・違う・・・そっちはウーナのほうの・・・)
つまり、少女なら誰でも良いというように見えます。
もちろん意識下では選り好みするんでしょうが、正直「手当たり次第」といっても間違い無いように見えてしまいます。

「児童ポルノ禁止法改正案」は衆院解散で廃案になりそうな気配があるようですが、こんな改正案が提示されるほど、性癖・性犯罪の理由が年々単純化しているように感じていた今日この頃ですので、まさしく爆弾落とされたような気分になりました。凄い戯曲を世に出したものですね、ハロワー氏。
映画化の予定もあるようですが、映像になる場合はかなり気を使う必要があるのではと感じました。映像は残りますのでね・・・

はて、もうすぐ3歳の天使ちゃん(娘さん)を持つわれらが内野氏は、この「理由」をどう設定して演じていたのか、非常に興味を持ちました。「ただ好きなだけ」というのでは演じにくいでしょうから、何かしら自分の中に「モラル」を外すためのイメージを抱きながら演じていたのだろうと、終演後そればかり考えてしまいました(笑)

実に余白が多く、終演後も自分の脳内に住み着いたレイとウーナをさらに激しく戦わせることのできるような、あとを引く素晴らしい芝居でした。プログラムの小田島先生の翻訳についての記述を読み、うっかりアマゾンのボタンをポチっと英語台本も予約しちった・・・ああ日本の夏・・・散在の夏。

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